SB彈の横風による水平方向誤差のシミュレーション
Simulations of .22LR Windage Error by Crosswind



グラフ上の x はJBM Ballistics の web 版計算機 "Trajectory -- Draft" による以下の条件で風速が 0.25m/s, 0.5ms, ... 5m/s でのシミュレーション結果です。
グラフからは「風速 1m/s 当り 6.9mm 逸れる」と讀みとれます。
条件:
距離: 55yd(50.3m)
ブリット: Eley Match EPS(イーリーマッチ) -- weight = 40gr, length = 12mm)
バーレル: 15" right twist, Muzzle Velocity = 1050fps(320m/s)
気象: 59F(15C), 29.92inHg(760mmHg)
入力と出力の詳細は以下のとおりです。ただし、この例は風速が 20m/s の場合のものです。


Stability at Muzzle が 1.516 であり、少なくとも飛行の初期においては十分に安定のやうです。
また、この気象での Speed of Sound(音速)は 1116.4fps であり、ブリットのどの箇所にも音速を超える気流は發生しないと思はれます。

ご注意:
- JBM Ballistics の web の Downloads 頁には豊富なブリット製造会社のブリット情報がありますが、Eley に限らず Lapua、Remington, Winchester を含め .22LR について全長がありません。今回のシミュレーションでは全長を唯一個のサンプルについて実測( 0.465" = 11.81mm )し、12mm としました。
- Eley Match EPS のブリットの先端形状はフラットで、しかし中心に半球状の突起があります。JBM Ballistics がこの形状を考慮して Ballistic Coefficient = 0.150 G1 としてゐるとは思へません。そのためこのシミュレーションの結果を実践に適用する場合は「逸れ具合は風速に比例し、比例係数は 5-10mm/1mps だ」と云ふ程度に解するに止めるべきです。
- 現実の世界では横風によりブリットは風下方向に逸れますが、僅かに上下にも逸れます。たとへば、右から左に向かふ風の場合であつてバーレルの twist が右の場合ではやや上(極座標上で9時00分ではなくたとへば 9時30分方向)にも逸れます。しかし、今回のシミュレーションではこの上下の逸れが現れてゐません。風速を 20m/s にしてみましたが drop は 0.0" でした。計算機がこの現象を考慮していないためか値が 0.1" 未満のためかは不明です。
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